第1929号 会長の時間

横山文夫会長皆さんこんばんは。蒸し暑い日と雨が多くなり、梅雨入り間近となりましたが、体に気をつけてお過ごし下さい。
5月26日(土)には、次期会員増強地区研修セミナーが木村静之ガバナーエレクトが主宰する形で開催されました。私は別の用事があり、セミナーの前半しか出席していません。後半で地区の女性会員13名が続々とスピーチをされる興味深そうな内容がありましたので、一緒に出席した次期会長、幹事、増強委員長、新会員の方からご報告を頂けたらと思います。
さて、本日はJCの入会候補の方3名がお見えになっております。このような日にこのようなお話はどうかと思いますが、本日は中堅会員の退会問題についてお話します。私はこの数年、幹事や副会長、会長としてクラブ全体の動向をある程度把握出来る立場にありました。このような中で印象に残っていることは、入会10年目から25年目くらいの幹事や会長に就任してクラブの中心メンバーとして活躍が期待されるべき中堅会員が何人か退会されたことです。これらの人達は、60歳台が多く、ほとんどの方が現役で働いておられます。退会の理由は、仕事に関連することや家族問題、健康問題、そしてクラブ内の感情問題等です。私も退会を考えた時期がありますのでよく分かります。これらの会員が退会されるのは残念というだけでなく、クラブにとっては大きな損失です。私はその対策として、以下のことを検討してはどうかと思います。
まず第一に、10年、20年の単位で言うと、1年、2年と例会に出てくるのが困難な事情がある時期があります。この場合には、会費さえ納入しておれば、寛大に休会や欠席を認める方向性が打ち出せないかということです。疲れて一休みしたい時期は誰でもあり、それは理解し、受け容れる余地があると私は思います。
第二に、これらの会員は、1~2年前から口には出さないが退会を考えておられる場合が多いようです。親しい会員は、事前に気配を察知出来る場合があります。そのような場合には、会長幹事に知らせて頂き、クラブ全体で退会防止の対策を講じていけるように出来ないでしょうか。中堅会員の退会はちょっとした工夫や取り組みで防げる場合もあります。これらのことは、これまでもやって来ましたが、より明確な方針として打ち出し、思い切って実行していけないか、というのが趣旨です。ご検討頂けたらと思います。

第1929号 卓話

青少年交換委員会 平松洋一副委員長『2630地区青少年交換委員として経験を終えて』
青少年交換委員会 平松洋一副委員長

私は青少年交換委員として務めて5期になりました。任期は5期なので、来期は古谷会員が私の後を引き継ぎ青少年交換委員に出向されるので頑張って頂きたいと思います。
私自身は林伸好さんから青少年交換委員を引き継いだと認識しております。何故かと言いますと、岐阜加納ロータリークラブは青少年交換プログラムにおいて、過去40年近くずっと学生を送り出し、インバウンドを迎え入れて来ました。地区の中でも岐阜加納ロータリーといえば青少年交換と言われる程です。そんな林伸好さんの功績は、未だに名前を聞きます。それを受けて私も頑張って来たという自負があります。
しかし、ここ2年岐阜加納ロータリークラブは青少年交換プログラムに参加しておりません。来期は木村ガバナーも出られます。青少年交換の最高責任者はガバナーです。委員会のオリエンテーションでは常にガバナーが出席されます。何か問題が起これば、フランスだろうとオーストラリアだろうと木村ガバナーが飛んで行かなければなりません。それだけの重責を背負うのです。問題はリスクとしてたまに起こります。我々はそれをカバーしつつ、有意義な交換事業を全う頂く事を使命としています。
青少年交換プログラムは大変だと地区でもよく言われます。年間で8回のオリエンテーションプログラムがあります。1日がかりで学生の教育や交流を行ったり、インバウンド、アウトバウンドの学生の文化研修の活動に付き添ったりしています。真面目にやってる委員会であるというのは間違いありません。大変は大変ですけれど、子供の成長が目の当たりに出来るというやりがいがあります。1年の間に3回くらい男泣きする瞬間があります。1年経って帰って来る子、インバウンドで来ているフランスの子やオーストラリアの子が卒業する時、そういう姿を見ると親のように非常に感銘、刺激を受けます。

ロータリー青少年交換とは何か…

  • 青少年の本質は、「国際人として国際社会に貢献出来る日本の若者の人間形成」。親善大使として、その使命を十分に理解した若者であること。
  • 帰国後は、海外の異文化における生活は、若者を大きく成長させます。まっすぐに成長した樹木は大きく枝を伸ばし、やがてたくさんの果実をつけ、種を蒔きます。帰国後は、関係者への感謝の気持ちと共にその成長した姿をたくさんの応援者に披露し、後進の為に本委員会活動に協力してもらいます。

この奉仕活動が継続されるように…

  • 一般的な自由な留学に対し、ミッション(使命)をもった留学であるということ。交換学生は親善大使であり、その彼らの成長を応援して下さるたくさんの両国の支援者が存在するということ。この関係者全員に感謝の念を抱き、プログラムの意義を理解する人格者になってほしい。このような若者を育成することが、このプログラムの使命です。
  • また、出来るだけ多くのロータリアンに本プログラムに参加頂き、日本の若者の成長を支援することを通じて、奉仕の精神を学び実践すること効果の大小ではなく、決意して渡航する未成年の若者とそれを応援する、関係者全員の努力の連続がこの奉仕活動の本質であると思います。

◎青少年交換事業の歴史

  • 1929年に仏ニースRCが北アフリカと交換留学をしたのが最初。その後、米国と南米間で始まり、1972年に国際ロータリー理事会で「世界平和と理解を推進する価値ある国際活動」として正式に認証推奨。
  • 現在は120ヶ国、毎年8,500人前後が交換学生として派遣されている。対象は中学3年生から高校2年生。
  • 日本―52年前の1962年、豪州へ10名位派遣、翌年豪州から来日して始まった。
  • 2630地区(岐阜・三重地区)は、1967年に各務原RCから1名豪州へ、翌年豪州から岐阜RCへ。今年で900名弱。多い時には30名以上の時もあった。最近は7名ずつ位。

・今年度、2630地区での実績

【夏期受入】
スイス1名、イタリア1名、ノルウェー1名、アメリカ2名。計5名
【春期受入】
オーストラリア2名、ニュージーランド1名。計3名
【夏期派遣2017-2018】
フランス1名(名張RC)、アメリカ2名(各務原中央RC・四日市北RC)、オーストラリア2名(美濃加茂RC・高山西RC)。計5名
【夏期派遣2018-2019】
アメリカ2名(四日市RC・四日市西RC)、オーストラリア2名(下呂RC・恵那RC)、ニュージーランド1名(桑名RC)計5名

・岐阜加納クラブでの実績

○派遣第1号 1980-81年 国立勝仁さん
(オーストラリア957地区)
最近では  2013-14年 中川貴理葉さん
(アメリカ6650地区)
2013-14年 篠田有伽さん
(オーストラリア9640地区)
○受入第1号 1980-81年 コーリン・ダフィー
(オーストラリア983地区)
最近では  2013年8月-14年8月 ジュリエット
(フランス1017地区)
2014年8月-15年8月 ベス
(ニュージーランド9910地区)
以後派遣2015年度まで派遣19名、受入19名です。

◎本年度2630地区での当委員会 事業の紹介

  • 8月26~28日 受入学生夏期研修旅行
    長崎原爆資料館他 戦争の悲惨さ、原爆の恐ろしさ、命の大切さ、そして世界平和の尊さを子供達に知ってもらう。
  • 11月22、23日 日本伝統文化体験研修
    (三重県唯一の無形文化財)加賀パストガバナー窯作陶研修
  • 3月25~27日 4地区合同白馬交換学生スキーの集い参加(第28回)
    第2600、2620、2630、2760地区(長野、静岡、山梨、愛知県)
  • 5月22、23日 長良川鵜飼見学、金華山早朝登山
  • 今年度は、5月26・27日にて、本伝統文化体験研修Ⅱとして多治見/虎渓山永保寺「座禅」研修。

◎最近抱えている問題点
①ホストファミリー(受け入れ)の減少

  • 理想は1ファミリー2ヶ月の6ホストファミリー(愛知:高校経由にてホストファミリーの公募募集あり)
  • ロータリアン宅に子供がいない(メンバーの高齢化)
  • 奥様のご理解
  • 弁当を作る手間(自分で作らせては。海外では当たり前。)
  • 岐阜の他RCでは、ホストファミリー各々にサブホストファミリーをつけて、週末など学生を預かり交互にフォローされているようです。ロータリークラブ全体で交換学生事業を支えている。

②派遣学生の派遣先での語学力・会話不足からくる問題と誤解

  • アーリーリターンされる子も。
  • 多くの学生は帰国時に生き生きと輝いた目で報告してくれる。
  • 本年度から帰国学生、保護者の申し送り事項の作成。心構え等、良い傾向
  • 厳しく採用選考(語学力よりも<志向・意欲)。外国語スクール通学も条件に。

③留学希望者の減少

日本人学生の海外留学離れが近年鮮明に。その要因は?

  • 留学費用が高い(RCの場合は民間4~500万の費用1/3〈140万〉)(岐阜県・三重県の補助金30万円あり)
  • 日本人学生の内向き傾向が強まり、「外国に出るリスクの恐れを反映している」
  • 外国語が苦手
  • 大学入学に不利(大学生の留学の場合は就職に不利)、1年間余分に通学。(殆どの国の学校では1年間就学証明書を発行する)AO入学の活用。
  • 各クラブでのプログラム参加意識の低下(案内をぜひ学校に伝えて欲しい)

*昨年より、委員メンバーによる実績校の直接訪問・ポスター掲示・市長訪問。

④アメリカから留学生の早期帰国(昔から米国からの留学生に悩むこと多々)

  • アメリカは、オハイオエリーのようにエリアが広い為、来日に際してオリエンテーションを開いていない。
  • ホストファミリーとトラブルを起こす。学校に馴染めない。
  • 日本語習得の難しさ、挫折感。18歳の子が1年生クラス→幼く見える。
  • 日本が1番の希望国ではない時も。人種差別意識はないと思うが…。

※彼らのストレス発散方法も大切─この地区では実施(来日派遣学生同士のコミュニケーション、LINEの活用、相談するシステム、話をする)
※大きなコミュニケーション エステル日本語検定3級、ブリアナ4級合格

◎田中作治前RI会長の一昨年の“ロータリーの友”3月号の言葉
ロータリーの青少年交換のプログラムは、今日、第五奉仕部門である「新世代奉仕」の一部となっている。若者に力を注ぐことで、ロータリーの未来とより平和な世界を築くことが出来る。青少年を支援することで、新たな世代にロータリーを引継ぐことが出来る。また、国境や文化の壁を乗り越えた理解の輪が広がる。
私達は支援の手を差し伸べることの大切さを教え、ロータリーの中核となる価値観を伝承することが出来る。このようにして、私達は平和の構築を支援している。
青少年交換は、一つひとつの交換を通して国と国との間の関係を育み、平和な世界を築くというロータリーの世界的使命の本質的な要素を担っているのである。